和興鍾家夥房は、台湾南部・屏東県萬巒郷五溝村に残る伝統的な四合院家屋。清朝同治帝の時代に建設され150年の歴史を持ちます。徳春(福)、順春(禄)、榮春(壽)、輝春(全)四兄弟で所有、子孫に受け継がれていきました。ちなみに客家の人々は、四合院(一説には三合院も)のことを「夥房」と呼んでいるそうです。
今回は現在の主・鍾魁上さんに中を案内していただきました。
和興鍾家夥房の前堂
西盛路に面した場所に建つ前堂。馬背式の屋根とアーケードのような騎樓と呼ばれる構造が目を惹きます。
ここには4つの部屋と3つの出入口があり、店舗として使われていたそうです。
和興鍾家夥房の後堂
和興鍾家夥房の横屋
前堂と後堂を繋ぐように両サイドに連なる横屋。ここは住居にあたり、台所や寝室、厠所等があります。
横屋には隣の鍾氏萬成祖堂と繋がっている個所があります。ここは普段は閉じられていますが、冠婚葬祭の際に通ることができるそうです。
鍾さんのお話によると、現在屏東県政府の支援を受けて保全と修繕が進められて、和興鍾家夥房内のあちこちで足場が組まれている箇所がありました。
通りに面した前堂にお店を出して商いを行い、普段は横屋で生活し、後堂に先祖を祀る。今回の見学を通じて、四合院建築の使われ方に、私は客家の人々のアイデンティティを強く感じました。
和興鍾家夥房の基本情報
住所:屏東県萬巒鄉五溝村西盛路30號